「あそび」を見つめ直す実地研修 ~かーびーさんをお迎えして~
CFAでは、「移動式あそび場全国ネットワーク」代表・星野諭さん(通称:かーびーさん)を講師に迎え、職員および学生チームを対象とした全4回の「あそび研修」を実施しました。
かーびーさんは、全国のあそび場や災害支援の現場で豊富な経験を持ち、平時も災害時も「あそび」を届ける活動を続けてこられた方です。
本研修では、そんな実践者ならではの視点から、あそびの価値・安全管理・防災との融合・地域との関わり方・特技を生かしたソーシャルビジネス等について、多角的に学びました。

研修の実地パートでは、かーびーさんが普段使っている“プレイカー”に乗って来てくださり、公園で実際に展開。外見からは想像できないほど、多彩なあそび道具がぎっしり。
積み木やロープ、段ボール、さらには凹んだ鍋まで、既製品ではない「自然な素材」が揃っており、こどもたちの自由な発想を引き出す仕掛けが随所にありました。
学びの中で特に印象的だったのは、「混沌と整列の共存」の重要性。道具はきちんと片づけるのではなく、“使いやすく並べる”こと。整然としすぎず、でも無秩序でもない。
その絶妙な配置が、こどもたちの創造を引き出す「環境設定」になると学びました。また、音の出るあそびの際は、まず場所の「音の反響」を確認し、近隣への配慮を欠かさない視点も重要です。
さらに、凹んだ鍋は劣化品ではなく“音の変わる素材”としての価値を持ち、古くなった道具を捨てずに変化を楽しむ視点の大切さも感じました。

後半はロープワークに挑戦。普段使う結び方以外に、「自在結び」「怪物結び」「ねじり結び」を学び、あそび場はもちろん、どれもキャンプや日常生活にも活かせる実用的な技術でした。
特に「摩擦によって固定される」という原理を理解することの重要性が強調され、これはすべての道具に通じる基本の考え方だと気づかされました。
今回の研修を通じて、「あそび」は単なる遊戯ではなく、こどもたちの創造力や主体性を育む“生きる力”であると、改めて実感しました。
大人もまた「あそび心」を大切にし、こどもたちと共に地域の中で豊かな環境を育んでいけるよう、学んだ知見を今後の実践へとつなげていきたいと思います。