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こどもたちの未来を広げるため、地域とのつながりを生み出していく。

前野 砂織(まえぱん)

東京都出身。短大の保育科を卒業し、保育士と幼稚園教諭免許を取得。卒業後は保育園で1歳児から5歳児までのこどもたちと9年間過ごしてきた。保育園が閉園となり、こどもの職業体験施設に従事。多くのこどもたちの体験の機会に触れてきたが、次第にこどもたちの成長にもっと近くで継続的に関わりたいと思うようになり、2018年よりCFAへ入職。

 

ーCFAに入職するまでの経緯を教えてください。

自分が小学生の頃から、児童館で実施するイベントの企画や運営を通して、小さいこどもの相手をよくしていました。その頃から、自然と保育系に進もうと考えるようになり、そのまま保育士免許を取得して保育園での業務が始まりました。9年間勤務した後、閉園に伴って次のキャリアを考えるようになりました。

その後、こどもたちの職業体験の機会を演出する施設に勤務し、そこでは、こどもの成長や変化に携わりたいという想いがありました。ただ、実際の業務は受付やオフィス業務、人材育成研修がメインで、自分が考えていた内容とは少し違っていたんです。それでも、空いた時間を、なるべくこどもたちと関わる時間に充てられるよう積極的に動いていました。どんな業務をするにしても、「全ては現場のこどもたちのため」という気持ちがあったので、現場から完全に離れないような役割に就けるようにしてもらっていました。

そんな中で、もともと面識のあったCFAの代表から声をかけられ、最初は掛け持ちの生活をしながらCFAに関わるようになりました。

 

ーその時の印象は?

CFAに関わりはじめて、「学童は放課後のこどもたちにとって自由な場所なんだな」と感じました。保育園では、保育士がいることを前提とした生活が成り立っていますが、学童では大人の存在が必要ではあるものの、いなくても成立する自由さがあるんだと気づきました。

前職でも、こどもたちの可能性を引き出すきっかけを作るエンターテインメントの場には携わっていましたが、自由奔放に過ごす小学生と直接触れ合う機会はありませんでした。その点で学童はまた違った環境だと感じましたね。

 

ーCFAに参画して7年、振り返って今感じることは?

CFAKidsの校舎で過ごす時間だけでこどもたちのことを考えることはできないなと感じます。こどもたちは卒業してもつながっているし、地域の中の一つの場所であるので。

現在約40人のこどもたちを担当していますが、それだけではありません。一人一人がCFAの外で築いている関係や、これから関わる人たちの存在も自然と感じることがあります。

目の前のこどもたちだけでなく、その子の「これまで」や「これから」にも目を向けられるのは、長く同じ場所でこどもたちと関わるからこそ得られる喜びだと思います。中学生になった子が時々遊びに来てくれたり、新しい友達を連れてきたりする様子を見ると、「ここは本当に特別な場所なんだ」と改めて感じます。

学童の校舎だけで閉じるのではなく、もっと外へ広げていくことにやりがいを感じています。

地域のイベントで、こどもたちとお店番

ーその価値観が活きているなと感じるCFAでの活動はありますか?

地域とのつながりをつくるのが得意で、誰とでもすぐに友達になれるタイプなんです。つい、小さなお子さんを連れた方に話しかけて、気づいたら仲良くなっていることもよくあります(笑)。

入職した7年前から、他の校舎がすでにつながりを持っている地域イベントに参加してみて、担当校舎とも関係を築けそうな方に連絡を取ったりと、積極的に動いてきました。情報収集が好きなので、地域の人々や活動について知ること自体が楽しいんですよね。 

具体的には、地域のお祭りでCFAのこどもたちが出店させてもらう機会をつくった時に、こどもたちが活発に活動する姿を見て、商店街の会長さんが「こうした経験が地域の未来につながる」と言ってくださったのが印象的でした。また、こども食堂のお手伝いにも参加するなど、地域活動には積極的に関わっています。

 

ーやっててよかったと感じる場面は?

こどもたちが日々変化していく様子や、何かをやり遂げたときの表情や言葉にストレートに触れられる瞬間ですね。

年上の子と一緒に何かに取り組むことで自信をつけた子が、次は下の子にその経験を伝えるようになる。そのサイクルが自然に回っている様子を見ると、見本になる存在がすぐ身近にいることで、こども同士が互いに刺激を与え合っているんだなと実感します。

キャンプ場までの道のり

ー今後のCFAや学童保育全般を考えた時に、どんな未来だったらワクワクしますか?

こどもたちは、関わりを持つ人たちによって可能性が広がるなと思っています。CFA学生チームのメンバーが時々校舎に来てくれたり、企業の方が特別な講座をしにきてくれたり、そういった関わりがもっと広がり、多様な形でいろいろな「得意」を持っているたくさんの大人がこどもたちに頻繁に関われるようになればいいですね。 

 

あとは、学童に通っていないこどもたちでも、そうやって多様な人に触れたり、学校や家庭以外にも居場所があるというようなことが広がっていけばいいなと思います。話を聞いてくれる人がたくさんいることは、こどもたちが成長していく過程の中で大事なことじゃないかなと思います。

農業体験での一場面